2014年10月1日 対 が ん 協 会 報 （ 7 ）
を持って、今の勉強に取り組んでほし い」と激励した。
講演のあと学年の教員の１人が、過 去に大きな病気をしたとき、当時の生 徒や保護者、家族が心の支えになった と話した。今回のような授業は他人事 と感じたり怖いと思うかもしれない が、自分はもちろん周りの人がもし罹 患したときに支えられるよう、貴重な 機会として学んでほしいと締めくくっ た。
生徒たちからは「医療技術が発達し、 より患者のことを考えてくれているん だとわかった」「がんを怖がらなくても いいと思えた。家族にも話したい」な どと感想が寄せられた。
今回の授業計画を担当した養護教諭 の三好由紀子先生は、がん教育におい て教える側がどのように役割分担する かが今後の課題だと話した。同校は 11月に、２年生を対象にした学級担 任によるがん教育も計画している。 仲先生が抗がん剤のイメージを質問す
ると、生徒たちは「苦しい」「髪が抜け る」「吐き気」などと答えた。奥仲先生 はテレビドラマなどでそのように描か れることが多いが、今は身体への負担 が少ない抗がん剤もあると説明し、「私 の患者の中には、抗がん剤を受けた後 に中華を食べて帰った人もいるよ」と 話した。さらに自身が執刀した胸腔 鏡手術の映像を映し、医療技術が進歩 し出血量も以前よりはるかに少量にな ったと話すと、生徒たちは驚いた様子 だった。授業後の感想文でも、この映 像に強い印象を受けた生徒が予想以上 に多かった。将来、医療関係の仕事に 就きたいという女子生徒は「家族にが んになった人がいる。お見舞いに行く といつも看護師さんたちがやさしく してくれる。だから私も看護師になり たい」と話した。奥仲先生は「世の中の 発明は、誰かが不思議に思ったことか ら生まれている。みんなも何かに興味 文部科学省のがんの教育総合支援事
業におけるモデル事業実施指定都市の ひとつに、川崎市が選ばれた。その実 践校である川崎市立中原中学校で９月 18日、日本対がん協会が協力して１ 年生、約130名を対象に出張授業が実 施された。
講師はテレビでもおなじみの山王病 院副院長で呼吸器センター長の奥仲哲 弥先生。クイズを出したり生徒たちの 中に分け入ってマイクを向けたりと、 生徒の関心を引き付ける工夫を随所に 取り入れながら軽快に話を進める。奥
確認した。約２時間の真剣なディスカ ッションがまとめられ、福岡のメンバ ーたちに託された。
福岡アピールは、純真学園大学看護 学科２年の加藤早希さんによる学生宣 言で締めくくられた。「私たちリボンム ーブメントは私たちの未来を守るた め、女子大生の目線から、私たちだか らこそできる啓発活動を全国で行いま す。人とのつながりを大切にし、チャ レンジ精神を持ち、楽しみながら学ぶ ことをモットーに、笑顔で伝えていき ます」。力強い言葉に、会場は大きな 拍手で包まれた。
るが、定期的に受診してもらうために は学生個人で婦人科にかかる必要があ る。婦人科に抵抗がある女子大生た ちのハードルを下げるため、リボンム ーブメントが自治体の協力を得ながら 県内各病医院の婦人科の特徴を調査し ていく。また七夕には両団体で協同し て、子宮頸がん検診を呼びかける街頭 キャンペーンも行った。
この全国大会の二日前、リボンムー ブメントは「がん征圧学生全国大会」を 開催した。これは北海道、新潟、東 京、福岡をインターネット動画で中継 して行うネット会議で、福岡アピール がん征圧全国大会（主催：日本対が
ん協会、福岡県すこやか健康事業団） では、スタンドフォーマザーズとリボ ンムーブメントが福岡アピールの大役 を担った。スタンドフォーマザーズは 若いママたち、リボンムーブメントは 大学生が、それぞれ同世代へ向けた子 宮頸がん啓発活動を行っている団体 だ。両団体とも全国に拠点があり、当 日は福岡で活動するメンバーたちが地 元での活動内容を発表した。
スタンドフォーマザーズの特徴的な 活動は、ママ友検診だ。複数のママ友 で連れ添って検診に行き、受診してい る間は他のママに子どもの面倒を見て もらう。ママたちは子どもから手が離 せず、自分の検診になかなか行きづら い。この障壁を解消し、受診率向上に つなげるのが目的だ。リボンムーブメ ントは婦人科マップを作成している。 福岡県すこやか健康事業団（福岡県支 部）は検診のきっかけづくりとして学 園祭に子宮頸がん検診車を派遣してい
川崎市でがん教育のモデル授業に協力
大学生と若ママが全国大会で福岡アピール
で発表する「がん 征圧学生宣言」の 内容について話し 合った。各地での 活動を紹介しあ い、地域によって 活動内容は異なる が、活動の意義は 共通していると再
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熱心に聞き入る生徒たち
